【東北一周】盛岡で過ごした短い一日②

東北紀行文

「ふじよし」で食事をとり終わったのは19:00頃だったか。そんなに長く滞在していない。座敷の畳に座っているのは気持ちが良かったが、お酒を飲むわけでもなく、そんなに長居は出来なかった。

盛岡市街を一望できる場所

矢巾を出発して次に向かったのは「岩山」という、盛岡市内を一望できる山の上の展望台だ。

矢巾からJR東北本線に沿って盛岡に向かい、そこから山に入っていくと、動物公園などを通り過ぎて、頂上に到着する。

車を停めると、外はかなり寒かった。関東では11月に着るような服装で展望台の方に歩いていくと、想像をはるかに超える、壮観な景色がそこにあった。盛岡は思っていたよりもずっと明るい町だった。周りの山は海のように光がなく、そこが神奈川や東京で見る、どこまでも明るい夜景との違いだが、それはそれでとてもきれいだった。

夜景と空の写真を何枚か取りながら(星はうまく撮れなかった)、また色々な話をする。大学で学んでいること、卒業後のこと、友達のこと。寒いけど、暗くてあんまり顔は見えないけど、すごく楽しい時間だった。

話しているうちに、その人はすごく心がきれいな人なのだと思った。人の見た目を見て一瞬で好きになることを人は“一目惚れ”という。だとしたら、人の内面を好きになったそのことは何と呼ぶのか?名前のつけようのない気持ちに襲われた。

岩山展望台から見た盛岡市街

長いような短いような夜

どのくらいの時間、「岩山」にいたかはわからないが、その後は盛岡市街から車で20分ほどのところにあるその人の家に向かった。なんと図々しくも、シャワーとそれに加えて寝どこまで貸してもらえることになったのだ。

見ず知らずの人を泊めてくれるなんて、車中泊続きだったので、脚を伸ばして寝られるのはめちゃくちゃ嬉しかった。道中色々な神社で神様に挨拶してよかった!

部屋に通してもらったときにはちょうど、10:00前だった。丁度『凪のお暇』というテレビドラマの最終回が始まるときだった気がする。シャワーを借りて、弘前でなぜかもらったリンゴを食べる。もうそこでは何を話したのかあまり覚えていない。

あっという間に寝る時間になった。僕は床にマットを敷いて、掛布団は車から持ってきた自分のものを使って寝る。

ただただ、朝になってほしくなかった。明日以降、東北一周旅行の後半も楽しみなのだが、それでも明日になってほしくなかった。

ここまでの旅で、もうずいぶんと心やさしい人、心地の良い場所に巡り合ってきた。そこまで神様が自分に味方してくれているなら、いっそのこともう時間も止めてしまってほしかった。そんなこと、神様がいるなら簡単にできるはずだ。

部屋が暗くなっても眠れない。疲れているはずだけど、寝たくない。何となく部屋に置いてある本を読んでみる。段々眠くなる。

 ※このとき偶然試し読みさせてもらった本がとても興味深かった。Amazonから届いたら読んでみようと思うが、感想を書いて記事にするのは難しそうだ。


はっと目を覚ます。まだ午前2:00だ。良かった朝じゃない。安心してまた寝る。
はっと目を覚ます。まだ午前3:00だ。良かった朝じゃない。安心してまた寝る。

こんなことをしているうちに本当に朝になってしまった。6:00には部屋を出なければいけなかったので5時過ぎには完全に起きた。

支度をして、6時前には家を出た。もう二度とここに来ることはないのだろう。朝早く、微妙に朝靄に包まれたアパートを見て、寂しく思う。

戦国時代の茶人、千利休が「一期一会」という言葉を残した。この言葉は人生そのものだと思う。もう22年も生きてきて、「一期一会」を何度も実際に経験した。それでも、理屈ではわかるのだが、なんて寂しいものかと思う。

追記

なんだかこの記事は画像や動画が少なく、殺伐としてしまった。
代わりに、この日に泊めてくれた人が教えてくれて、白河での免許合宿中に何度も聞いている歌を、ここで紹介しよう。

何がそんなに好きなのかわからないが、ピアノの音、歌詞、なんとなく好きでリピートしてる。
これを読んでいる人で、おすすめの歌があったら、Twitterやコメントで教えてください。

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