【東北一周】弘前に到着!しかし、まさかの…

東北紀行文

秋田で寝坊した後、途中で寄り道したが、なんとか弘前には予定通り到着した。

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阿仁を出てから弘前までまだまだ道のりは長い。1時間半ほど走っただろうか。碇ヶ関というところからとうとう青森県に入った。それにしても秋田県は南北に長い。

碇ヶ関は卒論のために史料を読んでいてもよく出てくる地名だ。大間と碇ヶ関と、前近代の人々は国を移動するときには関所を越えなければいけなかった。今は何もなく県と県の間を行き来できるが、それでも県境を通るときにはなんだか少しテンションが上がる。

山道が終わり、段々と平坦な道が続き、車も増えてきたところで、前方に大きな山が見えてきた。岩木山だ。かなり特殊な形をしているので、一度見たら忘れないだろう。

「津軽富士」と呼ばれるのも納得の大きさと存在感だ。岩木山もまた卒論で使用する『弘前藩庁日記』によく出てくる。だいたい旧暦の九月末頃には「岩木山に雪見える」などと言う記述が見えるのだ。

岩木山が見えてからは弘前までもうすぐだ。城下に近づくと車の量がかなり増え、道が思うように進まない。一方通行の多い、難しい地形を通り過ぎてやっと、弘前市立図書館が目の前に見えた。

市内観光用の駐車場に車を停め、図書館へ向かった。

すると目の前に飛び込んできたのは、「本日休館日」の立て札だった。

一瞬何が起こったのかわからない。「え、ここまできて?」「なんで?」

急いで電話をすると、図書の整理のための休館日なのだそうだ。何とか頼んで入れてもらえないかと電話で交渉したがそれも当然ダメだった。

すぐ隣には郷土文学館という図書館に併設された施設がある。主に太宰治についての展示が多かった気がするが、そんなことはこの際どうでもいい。郷土文学館の職員の人に、どうにかして『弘前藩庁日記』を閲覧できないかと頼んでみた。
だが、それでもやはりだめだった。

次に弘前大学の図書館にも電話した。もしかしたら所蔵しているかもしれないし、大学の先生が持っている可能性もあるからだ。しかし、「私的に所有している先生はいるかもしれないけど、公費で買ったものの中には少なくとも入っていない」という返事だった。

本当はこの日は一日中弘前市立図書館で作業をして、また翌日から東北旅行を楽しむ予定だったのに!

仕方なく開き直って、資料の閲覧・コピーは明日の図書館開館一番に回すことにして、弘前観光をすることにした。

まず向かうのは弘前城だ。弘前は桜の名所だ。春に来るのが一番きれいなのだろう。だが、葉桜に囲まれた昼下がりの弘前城もなかなかいいものだ。この日は岩木山も雲に隠れることなくきれいに見えるので、まずは一番弘前らしい景色を見ることができた。

本当は桜の季節がきれいなのだが…弘前城天守と岩木山

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