弘前市立図書館で卒論に関する作業を大急ぎで済ませた後、その午後の話。
青森から岩手へ
弘前市立図書館での用事を一応は無事に終えた僕は急いで弘前を出て、奥羽山脈を越え、岩手県の盛岡駅を目指した。
この日は前々から人と会う約束をしていたのだ。約束の時間を少し過ぎそうだったが、飛ばせるだけ飛ばして盛岡へ向かう。
国道282号線という道を通り、途中で少し秋田県の鹿角などを通過して岩手県に入る。途中で一度、岩手山の写真を撮るために車を停めたがそれ以外にはまったく止まらずに国道4号に合流するところまで来た。
この道が出発の日と同じように東京日本橋から続いていると思うとなんだか感慨深い。車線も多く、盛岡駅に近づくとどんどん車の量も増えていった。
盛岡に到着
盛岡駅は東北新幹線の駅の中でもかなり大きな駅だ。やはりその周りには車やタクシー、バスが群がっている。やっと約束の駅前に到着して、無事待ち合わせることができた。
今回会うのは大学3年生の時にインターンで一度だけ同じになった、岩手出身の女の人だ。インターン内の課題を一緒にこなしただけで、ほとんど話したこともなかったが、なんとなく印象に残っていた。連絡先を交換していたのでせっかく岩手に行くなら現地の人に案内してもらった方が良いだろうと思い、無理を言って予定を合わせてもらったのだ。
就職活動で東京駅を通った|RIKU@東北愛が溢れる|note
おそらくこの時のインターンシップだと思う。
湖のある温泉街
合流してまず向かったのは、御所湖という湖のそばにある温泉街だ。「つなぎ温泉」というらしい。
湖のほとりに車を停め、坂道を登っていくと、まず初めに足湯ならぬ手湯がみえてきた。「やまいち手湯」というらしい。手を入れると暖かくて気持ちがいい。
僕が東北を一周している期間はほとんどの日がそうだったのだが、この日も少し肌寒い日だった。
また少し進むと、今度は足湯が見えてくる。「猫石足湯」というらしい。猫石には様々な昔話があるようだ。興味ある人は画像で見てほしい。
猫石の奥には温泉神社という神社がある。普通の神社なら鳥居をくぐったすぐ横に、手と口を清める水が湧いているのだが、ここでは当然温泉が湧いている。右手、左手、再び右手、そして口、(柄杓がなかった)と順番に清めて階段を上ると、新しいように見え社があった。祈りをして、温泉神社を後にする。
足湯
この町には足湯が三つあるらしい。今回は坂の一番上の三つ目の足湯に入ることになった。そこには誰もいなかった。足湯の横には温泉卵を作れる場所もあった。もう一度来るときにはたまごを忘れずに持ってきたい。
足湯に入って、就活の事やサークルの事、家族の事など、色々なことを話す。僕は人と会話が全くできないわけでもないのだが、たいして得意なわけでもない。どちらかと言えば、人が話しているのを聞くのが好きな方だ。全く会話ができない心配はなかったが、ほぼ初対面でどれだけ会話が続くか、多少の心配はあった。だが、そんな心配は全く持って無用だった。
なんだか話しやすい。足湯の温かさも相まってとても心地の良い時間だった。
足湯の湯加減は昨晩と今朝の大鰐温泉程熱くはないのだが、やはり源泉をそのまま流しているだけあって長時間入るには熱い。足の皮もふやけてふくらはぎまで赤くなっていたが、それでもその場の雰囲気が居心地よくて、ついつい長湯してしまった。
そういえば足湯でジュースをもらった。ブルーベリー100%と山ぶどうとリンゴのミックスジュースの二択。僕はどっちでもよかったので山ぶどうの方をもらった。
以前、東北物産館のアルバイトで山ぶどうジュースを試飲したことがあったのだが、その時はかなりすっぱくて、あまり量を飲めるものではないというのが正直な感想だった。
だが、今回のはリンゴが入っている分、酸味が抑えられてとても飲みやすかった。だが、それでもしっかりと山ぶどうの味はする。ブルーベリーの方も一口もらったが、そっちもとてもおいしかった。
(僕はこの数日後、「あの時ブルーベリーもらっとけばよかった!」と思うのだ。)
日が傾いて、だいぶあたりが“秋の夕方の匂い”になってきた。空気も少し冷たくなってきたので足湯を出て車に戻る。そういえば、温泉神社のあたりにはトンボがたくさんいたな。関東より一足二足くらい早く、秋がくる。
最後に一枚だけ御所湖の写真を撮って、「つなぎ温泉」を出発した。
気さくな店主の和食屋「ふじよし」
足湯の後は、少し早いが夜ご飯を食べることになった。だいぶ迷った挙句、矢巾という盛岡の少し南にある地区の和食店、「ふじよし」にお邪魔することになった。
どうしてそこになったのかは全く覚えていないが、入った瞬間の店主のやさしそうな人柄で、このお店は当たりだとわかった。料理は定食に温かいそばが付いていて、味も量もばっちりだった。
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