三度目の訪問
大学3年生になる春、被災地を訪れるのは3回目だった。今まで活動を引っ張ってくれた先輩は就職活動真っ最中。なんとか一人の先輩が一緒に行ってくれることにはなったが、「自分が色々とまとめなければいけない」と、少し背中に重たいものを感じた。
もちろん引率の先生はいるが、観光バス1台分の人数の大半が高校生だ。余裕なく、諸々の活動を終え、気が付いたら3日目が終わったというのが正直な感想だ。
新たな学びはあったが、ホッとしたというのが本音。
ここでは、大学生活で関わり続けた「さくらプロジェクト」を初参加時からもう一度振り返りたい。
一回目
1年目に参加した時、事前に炊き出しの写真や花を植えている写真を見てから現地に行ったので、語り部の方の話を聞き続ける活動は完全に想定外だった。「お手伝いしよう!」と意気込んで行ったら逆にもてなされて色々なお土産までいただいた。5年も経ったらボランティアが直接関われることはほとんどなかった。
なにかできると思って行った自分が東北で感じたのは無力感だった。
二回目
2年目、やはり感じたのは無力感だった。「何もできない」という気持ちにもなった。ただ、1年目とは違い、少し前向きに考えることもできた。
自分たちにできること(=話を聞いて、それを関東に戻って活かす)を継続する、それも一つの関わり方だと思えた。現地で起こったこととそこからの歩みに関心を持ちつつ、そこで起こったことを無駄にしないために知識をつけて次の大災害に備える。
これが自分たちにできることであり、求められることである。それは自分たちにしかできないことでもある。こう思えた。
しかし、この1年間、そういった行動ができていたかというと全くの不十分だった。家族内ですら何も徹底できていない。
3年目の今年、色々な方のお話の中で南海トラフや首都直下型の話が多かった。
30年以内に70%で起こると言われている大地震に向けて意識を高く持ち続けることが求められている。 今後、この活動は過去に目を向け続けると同時に近い未来の大地震に備える活動に変わっていくと思う。
まだ何かが決まったわけではないが、高校生一人一人の感想からは十分にそれがうかがえる。
自分がどれだけこの活動に関わり続けることができるかはわからないが、活動自体は間違いなくいい方向に向かっている。
とりあえず今は尊敬する先生と2人の先輩の行動力から生まれた活動が今年も無事終われたことを嬉しく思う。
活動を終えて
今年も同じように、高校の文化祭ではブースを設けて、震災について学んだことを伝え、東北の魅力を少しでも伝えようと、微力ながら東北の物産を販売した。
結果として、「さくらプロジェクト」への直接のかかわりはこれが最後になった。
毎年、活動に関わったリーダーが作成している活動報告書の作成は僕が担当することになった。
その編集後記を残しておこう。