2019年末、雪の中の達沢不動滝を見に行った

東北紀行文

喜多方→安達太良方面

東北は一県の面積がとてつもなく広い。関東の感覚で話をしていると痛い目に合う。この日も喜多方から西へ数十キロ、県内での移動としては大した距離ではないだが、それでも車で一時間はかかる。

磐梯山と猪苗代湖の間を抜けて、安達太良山の方面に山を登ったところにその滝はある。達沢不動滝は全国的にはあまりメジャーではないが、東北、福島という規模で見れば一つの景勝地だ。

国道115号線を走り、右側に折れるとだんだんと山道も急になり、雪もまばらに見え始めた。さすがに暖冬とはいえ福島の山奥だ。滝から徒歩数分の所にある駐車場につく頃には地面も白く、雪もちらついていた。

雪の降る中、遊歩道を進む

山中の遊歩道のような小道を小さな清流に沿って歩く。周囲は苔と笹の葉による若干の緑と、寒そうな木々の茶色、それに粉砂糖のような雪がまぶしてある。

平坦なアスファルトであればどうってことない距離でも、雪で足元の悪い山道だと随分と長く感じるものだ。おまけに手もかじかんでくる。頭についた雪が解けて髪の毛が濡れてきたころ、やっと滝が見えてきた。

なるほど。確かに立派な滝だ。まずは写真を撮らねば。なんどか三脚の位置を立て直して、シャッタースピードも変えて、無心で写真を撮っていると時間が経つのも忘れてしまう。

やっと納得のいく写真が撮れた。其の一枚がこれだ。素人の写真なので構図やら何やらはあまりわからないが、いい写真が撮れたと思う。

自然の求心力

お目当ての写真はとれても、なんだか滝のそばから離れることができない。何の目的があるわけでもなく、それでいて何の無駄もなく流れ続ける水の動きに僕はただただ見入っていた。

自然の美しさを目の当たりした時の無力感が好きだ。夜景などの人工的な美しさも良いのだが、やはり自然のつくり出す景色のすばらしさには到底かなわない。

上から下へ流れ落ち、滝つぼの水と混ざっては静かな流れへと姿を変える水の動きにしばらく見とれていた。変わらず雪は降り続けていたが、寒さも忘れていた。

ふたたび車へ戻ろうとしたときには、どれくらいの時間が経っていただろうか。関東の郊外とはまた違ったリズムの時間が流れている。

この四年間で、特に福島を中心に、東北各地の色々な名所を訪れたが、まだ見ない場所はごまんとある。死ぬまでもすべてをまわれるだろうか。死ぬまでにそれらが廃れずに残っているかもまた心配だ。

今回でまた、新しい景色に出会うことができた。

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