なぜ「復興支援」と言わないか。

さくらプロジェクト

さくらプロジェクト

僕は大学生の間、「さくらプロジェクト」という高校が母体の被災地訪問活動に参加していた。

高校生の春休みに合わせて、 毎年3月下旬に2泊3日で宮城県を訪問すること恒例になっているが、それ以外にも年間を通して様々な活動がある。

現地から戻ると、月一回程度の事後研修を重ねて、被災地で学んだことを高校内で伝えるという活動にシフトしていくのだ。

9月の文化祭での物販コーナーの運営も大きなイベントの一つ。吉祥寺の「東北物産館」に協力していただき、東北の品物を文化祭で販売する。その売り上げはもちろん、全額寄付されている。

このように、実際に被災地に行くことの他にも、年間を通して、東北で学んだことを東京で伝えるという活動を行っているのだが、自分達のやっていることが何なのかはよくわかっていない。

復興支援ってなんだ?

「さくらプロジェクト」には僕のような卒業生も、毎年数人携わっているが、メンバーのほとんどは高校生だ。高校生は部活動や委員会活動とは別でさくらプロジェクトに参加している。

学校内でも、まだまだ「さくらプロジェクト」のメンバーは少ないので、友達から「東北に行って何してるの?」と聞かれることが多いらしい。

また、大学生である僕たちも、友人から「毎年高校に行って何してるの?」と少しからかい気味に聞かれることがある。

こんな時、我々「さくらプロジェクト」のメンバーは答えに困る。

初めのうちは「復興支援活動だよ。」と答えていた。
しかし、それを口にするたびに、「支援ってなんだ?」という疑問が頭を巡る。

自分達は確かに被災地に行って色々なことをしているけど、何もできていないのではないか。逆に色々なものをもらっているではないか。支援と呼べることは何もしていないのではないか。

次第に「支援」という言葉を使うことに罪悪感を覚え始めた僕たちは、自分たちの活動を説明するとき、「被災地の訪問活動」と表現するようになる。

毎年3月に被災地に行くと、現地の方にはすごく喜んでもらる。来てくれるだけでうれしいといってくださる方もいらっしゃる。ありがたいことだ。

ただ、自分たちの活動に「支援」という言葉を使うのはおこがましい。そんな思いから、「被災地訪問」という名目で毎年、宮城県にお邪魔している。

この活動はおそらく今年の3月にも行われるだろう。今回も「勉強させていただく」という気持ちで、3日間、お世話になります。

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